“Locking Summit Japan”では、今回”TONY-GOGO”氏の実子として、世界一としても名高い”GOGO BROTHERS”の兄”REI”氏に単独インタビューを致しました。
今回、4時間を超えるロングインタビューになっている為、前編・後編に分けて公開致します。
インタビュー前編はこちら↓
GOGO BROTHERS ”REI 前編
LSJ − 活動拠点を福岡から東京に移しましたけど・・・今の心境はどうですか?
REI − 色々重なって、家族に後押しされて東京に出てきました。お父さんにも助けられたし、色んな人と出会う事が出来て、今は楽しいですね。
独りになりたいって思ってたけれど、今は独りになって考え方も変わったし、もっと家族や特に弟の優(GGBのYUU)とはもっと話したいって思うようになりましたね。
LSJ − 弟と一番話したい事は?
REI − これからGGBとしてどういう魅せ方をして行こうか?ってところですね。エンターテインメントとして・・・目線は日本だけではないし、チャンスがあれば、上を目指していきたいですね。
LSJ − 次世代のダンサーに伝えたい事は???(ダンサーとして生きて行く人たちに対して)
REI − もうちょっとアーティスト精神を持ってほしいなって思います。
シーンに出るダンサーにもっと意識を高く持って欲しいと思います。
プロフェショナルな訳だから・・・
LSJ − 全身LOCKERSスタイルで出てくるダンサーに対しては??
REI − THE LOCKERSの伝統が伝わってて嬉しく思います。
LSJ − GOGO BROTHERSのREIが思う、カッコいいを教えてください。
REI − カッコよさとは、まずSOUL。それにシンプルでナチュラルなのが良いですね。
ナチュラルに表現出来るのが、カッコいいと思います。
THE LOCKERSは、コミカルなモノを黒人の生きている人生の中で自然に表現出来ているから・・・それをあまり履き違えないで欲しいなって感じます。
彼等が表現している時は、演技みたいに無理にコミカルなモノを表現していないですから。
コミカルさはファニーじゃないんですよね。
紙一重なんですけれど、黒人のコミカルさは、クールでファニーでナチュラルだから、つまるところ、それがファンキーなんですよ。
黒人の文化から来てるモノだと思います。
日本人はクールな踊りをしてる人が多いと思います。
コミカルさが行き過ぎてファニーになってるかなとも感じます。
バランスが大事だし、難しいですよね。
LSJ − Original Locking(THE LOCKERSの世代の方々)についてはどう思いますか?
REI − 素晴らしいと思います。当時の環境の中で、こう言うエンターテインメントをやってた訳ですから。ただ現代の日本には危機感を感じる人が増えてきたと思います。この先、どうやって生きていくか不安になっている人も多いと思うし。それを生かせて表現出来る人が増えてくれたらいいかなとも思います。
やっぱり、Original Locking世代の人達はリアルだなと感じます。元々、リアルの経験を元に、上品にエンターテインメント(Original Locking/THE LOCKERSの世代の方々)をやっていたと感じますから。
LSJ − 今の日本人LOCKERは、しっかりとオンビートでリズムキープが出来てると思いますか?
REI − 余り思えないですね。今の世代の人達は、THE LOCKERSがステージダンス、エンターテインメント、として捉える人が多いと思います。
LSJ − 今の世代は、本当のLOCKERS世代の人達の環境を理解してると思いますか?(元々THE LOCKERSのメンバーはTVに出て一世を風靡する前は、ゲトーな環境で育った人が多い等)
REI − あまり居ないと思います。そういう意識は無いと思います。そういうものが受け継がれて広まってはいるけれど、それを感じて踊れてないと思います。
・・・WATTSなど、Gangsta等の事を感じてる人は余り居ないんじゃないんでしょうか?
(事実、POPPINGがGangstaの踊りと解釈する人は多いが、歴史を紐ほどくとLockerのOGは、Los Angelesのゲトー地区とされるWATTSや、Compton・Sounth Central出身者が多く、Gangstaの環境の中で育った人間が多い)
※とあるOGの証言によれば、SOUL TRAIN GANGはほぼWATTS出身者が多かった模様。
LSJ − 結局ここまで行くと、HIP-HOPの解釈にも似てきますね。
REI − ですね。
LSJ − GOGO BROTHERSのREIとして思うLOCKINGとは何ですか?
REI − 鍵を掛けるですよね(笑)、僕の人生です!
LSJ − それを日本人に求めるとしたら?
REI − 自信を持って表現して欲しいですね。
後は、LockingのMoveは一つのアイディア・表現なので、もっとオープンに踊って欲しいと感じます。キャラクターをもっと生かしてオープンに、コミカルに、ファンキーに、ナチュラルに踊って欲しいなって思います。
クローズな人が多く、形ばかりに頼ってる人も多いし・・・
ナチュラルではないファンキーさを、ファニーに表現してる人も多いし・・・
そういうものもひっくるめて、オープンに踊って欲しいと思います。
日本人の国民性もあるとは思うけど、もっと黒人の国民性を良く学んで、オープンにって事かもしれませんね。
LSJ − 聖地LAでは、Lockingが下火となっていると言われている中・・・日本はLocking大国だと言われてますけど、どう感じますか?
REI − そういう所は余り気にしないようにしてます。好きなLockingを踊ってきただけだから。日本にも影響がある人が沢山居るし、世界中にも沢山居る訳ですからね。
LSJ − そういうものも含めて、正しいものが伝わってると言えますか?
REI − 正しいモノってなんだろう?って僕自身も思いますし・・・そこはやっぱり完璧には言えないですね。
ただ、やっぱりOriginal Lockingを通してGOGO BROTHERSスタイルを表現して行きたいって思いますね。
LSJ − あなたの育った環境を踏まえて、思うLockingを教えて下さい。
REI − やっぱりライフスタイルですね。
普通にLockingはダンスとしてやってきてるし、全てが当たり前に表現してきてるものだから・・・SUGA POPのビデオにも沢山影響受けてましたね。
Original Lockingとしてのルーツ、MOVEの由来・歴史的な所で言えば興味もあるけれど・・・
やっぱりLockingとしてリズムを外すのは、有り得ないですよね(笑)
Skeeter Rabbitが言っていた事と共通しますね。
ベーシックは必ず学んでほしいです。
音を取るベースは、ドラムのキックの部分です。
LSJ − リズムのを取るのは、アップ?ダウン?
REI − 勿論両方です。その時のフィーリングで変わりますね。細かくは意識してないですけれど・・・ナチュラルに音を取ってほしいです(笑)
LSJ − THE LOCKERSは、体と手が別々に動いてる感覚を持ってたようにも感じますけど?
REI − それも感覚でしょうね(笑)
意識しなくても、感じたままにナチュラルに踊って出るものなんでしょうね。
LSJ − Greg Campbellock Jr.も、Lockingは止まる事が大事だと言ってましたが、共通するものを感じませんか?
REI − 感じますね。Lockerはシャッターを押される感覚で踊れるといいんじゃないんでしょうか?!
LSJ − Greg Campbellock Jr.もそういうシャッターを押される様に止まれと表現してましたね。
REI − なるほど。Lockingはやっぱり止まるのが大事ですね。
LSJ − やはりOriginal Lockingの共通するものは、受け継いで持っていると感じませんか?
REI − そうですね、THE LOCKERSのメンバーであるお父さんが一番だと思っていた時期が長かったですからね。
LSJ − Lockingが側面的に簡単だと思われてる事に関してはどう思いますか?
REI − 簡単だと思われてるんですか?(笑)見た目は簡単だと思うかも知れませんね。動きも決まってるし、真似しやすいと思われてもしょうがないかもしれませんね。
LSJ − それでは・・・PoppingとLockingを混ぜて踊ったり、GOGO BROTHERSの様なスタイルを踊ってる人達に関してはどう感じますか?
REI − 真似してくれてる事に関しては物凄く感謝していますね。
LSJ − GOGO BROTHERSは、PoppingとLockingどちらが今好きですか?
REI − どうなんでしょうかね?
Poppingのニュアンスで音に対して止まる、と言う事にはまってると言うなればPoppingなんでしょうかね?
ただ、元を辿って行けば同じ様な感覚もするので、LockingとPoppingや他のジャンルも、別れてきてるだけなので、あまり意識はしてないかもしれないですね。
LSJ − 他のダンサーとは違う環境の中で育ってきたと思いますが、ダンスシーンの中でこれイヤだな・・・というか少し改善して欲しいなと思う事はありますか?
REI − 難しいですね。やっぱりカッコよく踊ってほしいですね。知識や歴史を知って踊るのも大事だと思うけれど・・・表現してカッコよくないとダメですね。
お父さんやSkeeter Rabbit、他のカッコいいダンサー・・・黒人みたいなカッコよさをもっと追究して欲しいかなって思います。
ただ、カッコいい人は凄く増えたと思います。やってる人口も増えてるし。
LSJ − SUGA POPの”WHO’S STOLE THE SOUL”のビデオを見て、影響受けたと聞きましたが?
REI − あれは本当にカッコよかったですね。本当に沢山影響受けました。
あのビデオを見て、THE LOCKERSの映像を見直した位ですからね。
THE LOCKERSのシンプルさや、カッコよさを改めて認識出来た時期かもしれません。
Lockingがナチュラルだったし、Poppingも凄い影響受けました。
LSJ − Lockingのナチュラルさとは?
REI − 無理してないんですよ。無理にSTOPしたり動いたりしてないってことですね。
ただ、STOPだったり、明確に動いたり、ナチュラルに表現出来てるのが良いんですよね。
THE LOCKERSを手本にしてるSUGA POP自身、やっぱり影響受けてます。
LSJ − そういう中で、LockingとPoppingには繋がるものがあると気づいたのですか?
REI − そうですね、ある時を境にLockingやPoppingに共通するものがあると気づきましたね。
自分の中で、LockingやPoppingにおける良いと思えるものが共通していたと言う事ですね。今の時代に良いものを見つけるのは、中々難しいかもしれません。
LSJ − LockingやPoppingを通じて、FunkStyleを表現出来てる人っていると思いますか?
REI − 難しいですねぇ・・・ジャンルも違うし
中々居ないんじゃないでしょうか?
LSJ − Original Lockingの事も踏まえて、今後GOGO BROTHERSのREIとしてはどう表現して行きたいですか?
REI − 僕たちはずっとOriginal Lockingを教わってきました。Original Lockingの要素を踏まえ、GOGO BROTHERSのスタイルを100%自信を持って表現して行こうと思います。
お父さんから習った事を自信持って表現したいって思います。
やっぱりお父さんから習ってきた事はデカいと思います。
LSJ − 今後の日本のLockingのシーンがどうあるべきと思いますか?
REI − もっと表に出て行って欲しいと思います。作られたものでなくナチュラルに表現して欲しいと思います。
LSJ − GOGO BROTHERSとして、今後どういう活動をして行きたいですか?
REI − もっと自分達の名前を拡げる事もしたいし、自分達のスタイルを拡げて行きたいですよね。
世界中にもっと自分達を知って欲しいって思います。
自分達のスタイルがストリートダンスだと思ってるし、やって来た事がカッコいいと確信を持って言えるから。
多くは語らないけど(笑)
僕達を見てください。踊りで語ります。
踊りが物語っていると思うから。僕は生涯を掛けてGOGO BROTHERSのREIとしてダンスで語って行きます。
踊りがライフスタイルなので、踊りを通じて僕のライフスタイルを送って行きます。
今後の僕達に是非期待して下さい!
LSJ − 最後に一言お願いします。
REI − ダンスって素晴らしいですね。
音楽があってのダンス。
皆を笑顔にしてくれる、この音楽とダンスをもっと多くの人に、笑顔をもたらせられるよう僕も頑張って行きます。
LSJ − 有難うございました。
今回Locking Summit Japanが、彼との関係の上でロングインタビューをさせて頂くことに成功しました。
他には見ない、4時間超のロングインタビューです。
感想は・・・全て出し切った、聞き切ったと言った印象なので特にありません(笑)
長丁場ご協力有り難う御座いました。
そして、これを読んで頂いた方達にも、何か一つでも共感して頂ければ幸いです。
彼の今後の活動にも要注目ですね。
GO GO BROTHERS official web site
http://gogobros.jp/